空を見上げる皇帝ペンギン。
クモのように器用に



夕飯を食べ終えて、二人でベッドに入る。

じゃれあうようにキスをしあった。首筋に痕を残した周防くんは、ピタリと動きを止めた。

周防くんは、私を抱くのが怖いと言ったことがある。「緋睡が助けて欲しい一番の時に隣に居てやれないかもしれない。抱くくせに、陸上やってるから守れないだなんて、都合が良すぎる。」そう言って泣きそうな顔をした。

でもね、それでも良いと思うんだよ。私がもしも死んでしまう時に周防くんが居てくれなくても、周防くんが好きなことをしていられるんなら、それで良いと思うよ。



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