空を見上げる皇帝ペンギン。

一泊遅れた言葉に首を傾げるけど、気にしない。腹痛も久しぶりに見る周防くんの姿で吹っ飛んでいった。


「久しぶり。」

「久しぶり、ごめん、遅くなって。

「ううん、気にしてないよ。」


黒いコートをまとった周防くんは笑う。私が隣に並ぶより先に、斜め掛けしていたボストンバックを持ってくれた。


「ありがとう。」


そういう周防くんの優しさが好き。


「緋睡、」

「なぁに?」

「かなり足、出してるな。」


ドキーっとして、静止。いきなり指摘されました桃葉ちゃん。



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