青薔薇姫
「やっぱり瑞華だ……。久しぶり。」
「ホントに……虎太?」
「あぁ。何年ぶりだっけ?」
「小3以来……?あ、でもお兄ちゃんの葬儀に来てたよね。ってことは1年?」
舘原虎太(Kota Tatehara)
あたしの幼なじみで、小3のときに引っ越したんだけど……まさかこの街だったなんて。
「元気にしてた?」
「うん。虎太は?」
「俺も元気。元気すぎて困る。」
虎太は大きな口を開いて笑った。
「家まで送るよ。」
「ありがとう。」
虎太と帰るの……久しぶりだなー…。
「柚歩のこと……大丈夫?」
お兄ちゃんが死んだあと、しばらく電話でだけど支えてくれたのは虎太だった。
「うん、大丈夫。もう立ち直れてるよ。」
たぶん……ね…。