その冷たい手、温めてあげる。



なんだろ、胸の奥がもやもやする…。



「あれ、未菜、今日は熊田先輩とお弁当食べないの?」


「あ、アキコ」



購買帰りであろうアキコはあたしの姿に不思議そうに顔を覗かせ、そのまま前のイスにすとんと腰を下ろす。



「今日は後輩たちにどうしてもって言われてるんだって」



手を繋いだ次の日からあたしと熊田先輩はお昼を一緒に食べるようになった。



「へぇ、だから朝から眉間にシワ寄せっぱなしなんだ?」



アキコは人差し指を立ててあたしの眉間にぴとっとつけて首を傾げる。



「いや、違うな、最近だな」



そう言いいつまでも指を離そうとしないアキコの腕を掴み定位置に戻し、お弁当箱にお箸を伸ばした。



「明日のお祭り、先輩と行くんでしょ?」



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