ブラッディマリー
 


 満足した和は、片付ける万里亜を見ながら、ようやくぼんやりと思考を廻らせることが出来た。


 早いうちから今夜は彼女を抱くことになる、と思っているのに、いざとなるとどんなふうにしていいのか、という疑問が湧いて来る。



 そもそも、あの夜何か間違えた気がして仕方ない。



 ヴァンパイアである自分は醜いから見るなと、泣き顔もみっともないから見るなと、万里亜は逃げようとしながら全く別の意味を言葉の中に織り込んでいた。


 泣き顔に胸を衝かれて、それ以上聞かなくてももう万里亜の気持ちが伝わるから、和は彼女を抱きしめてキスをした。


 そしてすぐにでも万里亜にしてやれることはないだろうかと、見返りを期待することなくそう思った時、血を彼女に与えることしか思い付かなくて、そうした。

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