ブラッディマリー
 


「今は、石垣俊輔と呼ばれてる。これからはそう呼んでくれ、白城のぼうや」


「何故、お前が生きている!!」


「何故って、気が遠くなるような寿命のせいだろうな」





「お前は、3年前に私がこの手で殺した筈だ!」





 澄人の感情がびりびりと空気を叩く。


 よほど苛立っているのか、いつも冷たい光を宿す澄人の瞳が、ぐらぐらと揺れていた。そんな感情を向けられていても全く意に介さず、俊輔はクッ、と苦い笑いを漏らす。



「殺した、って。俺の心臓に杭でも打ち込んだ? 俺が、灰になるところでも見た?」


「……!」


「ぼうやからは銀の弾を遠くから3発、くらっただけだ。まぁ、確かに回復には時間がかかったけど」


「私をぼうやと呼ぶな!」


「百合亜の息子なら、ぼうやだよ。縁があれば俺の子だったかもしれないんだぞ? 昔も言ったけど、仲良くやろうや」


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