ご主人と使用人



「なぁ、いいだろ?今日からでもここに来いよ」


「明様もこうおっしゃっていますし、お願いできないでしょうか?」


強引な明様に、最後まで私を気遣ってくれる住友さん。


まぁ、明様も素直そうだし私のことを気に入ってくれてるみたいだし?

この人のお世話係なら大丈夫かな、なんて思った。


「じゃあ、さすがに今すぐは無理なんで少し待ってもらってもいいですか?

採用されるなんて思ってなかったから、なにも準備してなくて……」


「では準備ができしだい、連絡をいただけますか?お迎えにあがります」


「あ、すみません。そうしてくれると助かります」


明様は私が一旦帰るのが不服なようで、少し機嫌の悪そうな表情だったけど、

でもものわかりがいいのか、なにも言わないでただ私と住友さんのやりとりを黙って聞いていた。

そして帰る時、明様は

「早く準備を終わらせろよ」

って念を押して言った。


アパートまでの道のりは雲雀ヶ丘家の運転手さんに送ってもらい、とても快適だった。


その人は遠藤さんといって、住友さん同様丁寧で優しい人だった。

















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