アイ
外を歩ける人達が、ただただ羨ましかった。

僕もそんな風になりたかった。

どれだけ楽しいのだろう。

怖くないのだろうか。

誰かと喋るだなんて、ましてや笑い合うだなんて、僕にはとても無理だ。

一体どんなことを話しているのだろう。

声が聞こえないことがもどかしい。

いいや、見られるだけで十分だ。多くを望んではいけない。


そして、ただ部屋の中で過ごすだけだった僕の日常は、少しだけ、変化した。
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