触れることもできない君に、接吻を
「あとで……学校が終わったら、すぐに来るから!」

気付けば足の震えは治まっていた。
俺は由梨に負けじと元気な声を出し、階段付近まで走っていった。

「行ってらっしゃい」

明るい声が返ってくる。
そんな声に、非常に胸が痛んだ。

俺は軽く深呼吸をすると、階段を見下した。
今から軽く飛ばしていけば、なんとか学校にも間に合うだろう。
そして学校が終わったら、すぐにここに飛んで帰ってこよう。

そう心に決めると、俺は一気に階段を駆け下りた。
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