触れることもできない君に、接吻を
俺は机に突っ伏し、恨めしそうに他のクラスメートの食膳を睨んでいた。
先生に抗議することもできたが、後が怖そうだったのでやめた。
そういうものなのだ。いじめというものは。
告げ口をすれば、抵抗をすれば、もっと酷くなる。

俺はただ終わりを待つことしかできない。
それはとても屈辱的なことだったが、もう仕方ないとしか言いようがない。

しばらくして、給食の終わりを知らせるチャイムがなった。
俺は構わずに机に突っ伏したままだった。
だが、肩を数回叩かれ、仕方なく顔を上げた。

そこには裕大と裕大の子分たち。
これから何をされるかは、大方検討がついた。

憂鬱タイムの始まりだ。
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