屋上から、この想いを。

―――――
――










放課後になっても王子様は忙しい。






うちのクラスだけじゃなくて、他のクラスや他の学年の女子の黄色い声を受けながら帰宅しなくちゃいけない。






時には告白で呼び出されたりとか。






だけど…、今日だけは何故か違った。








「なあ、橋本。ちょっといい?」



「は?可愛くない私なんかに用があるの?」



「いや…、すぐ終わるから」






帰る用意をしたまま、何故か椅子じゃなくて机に腰掛ける足長王子を見上げながら、私は少し考えた。







沢村の気持ちが知りたい。






どうして私だけをからかい続けてきたのか。






私がもっともっと素直になったら……





ねえ、アンタも変わってくれる?








「あのさ、『可愛くない』って言葉なんだけど。俺…可愛くない女、結構好みだし」



「え…?」



「正直…俺は女子に騒がれてるけど、そんな中でも毅然としてて自分持ってる橋本がスゲーと思ってた」






そう言って急に私から目線をそらして頭を掻く沢村を見て、少し驚いた。






完璧な王子キャラの沢村でも…照れるなんてコト、あるんだ?






「一人だけだった。俺が何言っても憎まれ口しか返してこない女子なんて」



「それ…、アンタがモテるって自慢してんの?」



「いや、そーじゃなくて。だからこそ、コイツの頭の中が知りたいと思った。俺のコト、どー思ってるのか……」



「え!?」



「最初はただの興味本位でからかってたけど、だんだん…その…気になっていったんだ、橋本のコト」






ウソ…



ウソでしょ?





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