屋上から、この想いを。

「うん……」






でも素直になるのは、なんか慣れない。






私はまた小さな声でしか返事できなかったけど…





沢村はそんな私の素直な返答を受け取ってくれた。






「マジで!?やった…！」






私の方が「マジで？」って感じなんだけど。






だけど…




こんな子供みたいな素直な笑顔で喜ぶ沢村…初めて見たかもしれない。






いっつも、作られた王子スマイルばっかりだし。






そんな沢村を見て、私も自然と笑顔がこぼれた。








沢村の彼女が私なんかじゃ、不満のある女子が多数いると思う。






だけど、ちょっとでも沢村の彼女にふさわしくなれるように頑張らなきゃ。






新井の元カノだって、きっと少しずつ新井に対して素直になっていったんだろうし。






少しずつ始めて行けばいい。






女子に『可愛い』と言ってもらえるかどうかは別にしといて、沢村にいつか意地を張らなくなって『可愛い』と言ってもらうためにも。






まぁ新井の元カノみたいに…昔もらった手紙を大切に持っておくなんて芸当、私にできるか分からないけど。