屋上から、この想いを。





私の他に、誰かいる???






いきなり男の人の声が聞こえてきて、私はとっさに振りかえった。






するとそこには、学ランを第二ボタンまで開けて無造作に着こなしていた……






「え?アンタ…うちのクラスの…?」



「あー、知ってる?俺、そんなに教室いないんだけど」



「有名人じゃん!!」






びっくりしたー。




まさか、うちの高校の有名人がこんな所でサボっていたとは。






…そういや、まともにしゃべるの、初めてかもしれない。






「新井優祐(あらい・ゆうすけ)でしょ!?サッカーと……その……、何だっけ?」



「『サッカーと女泣かせ』、だろ?女泣かせは卒業したつもりなんだけど」



「そーだよ。沢村が目立つ前はアンタのウワサで持ち切りだったし!」



「ぶっ!俺のダチが二代目女泣かせなわけ?面白いな、橋本は」



「……私の名前、知ってるの?」






確かに新井本人が言う通り、新井は教室にあまりいないみたいだし。





いつもギリギリ進級できる時間しか授業に出てないコトも有名な話。






だから…、クラスメイトの名前なんて覚えてないのかと思ってた。






しかも、沢村が友達……って、マジ???





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