Nocturne




そう。

私の弟である、竜也だ。




「久しぶりだな、姉貴」




あの頃より大人っぽくなり、身長も伸びた彼に吃驚しつつも、私に向けてくる相変わらずの意地悪そうな顔に私は安心した。




「本当。私がアメリカに渡るときからだから―――6年くらいかな」

「そうだな」




帰国してから私は両親には顔を見せたけれど、竜也には会えなかった。

その頃からもう竜也は一人暮らしをしていると聞いていて、会おう会おうとは思ってたんだけど、なかなかお互い仕事の都合とかで会えなかった。

それがたまたまお互いに都合が合うということで、今日会うことにしたのだ。



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