Nocturne




「これは、私への罰だと思った。
今まで、何も知らずにのうのうと過ごしてきた、私への神様からの罰なんだって」

「…姉貴…」




『…さようなら、皇』



―――あの日の言葉は、


『おい…ッ、樹里…!』



一言一句たりとも忘れない。

君の表情も、私の気持ちも、あの日のことは全て。





「私はね、H大に入学したことも、皇のお父様…匡仙さんに認められるためだった。
ただ、それだけに必死で勉強して、皇がいる所まで昇りつめようとした。
だけどそれって、意味ないことだったって気がついたの」

「は…?」

「…私は、何がしたいのかわからなくなったの」




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