Nocturne

消えることのない、愛しさ





空耳だと思った。
空耳かと、思いたかった。

私は後ろを振り向く。


すると、
―――そこには、今まで会いたかった愛おしい人。



――――なぜ。

――――どうして。


あなたがここにいるの。




「…っ、なんで…」




自分の目を、疑った。

これは、現実なのか。
それとも、幻覚なのか。


どちらにせよ、私は彼に会う資格など――――ない。


「…っ」




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