Nocturne



手放してもいいのか?

そんなの、



「…それは愚問ですよ」

「え?」

「だって私は皇を愛する為に頑張るんですから。
It's the way I’m feeling I just can’t deny,OK?」

「…そうですか」

「そうですよ」




私はそう言い、この場を立ち去った。

金光さん。
私はこの言葉を忘れない。

絶対に皇の隣に立って見せるから。


そしたら、『おめでとう』って。
言ってくださいね?



このとき、私は気付いていたんだ。

私を見つめる、もう一つの視線に。


駈け出したくなる衝動を抑え、
振り返って、微笑んで、口パクをした。


彼が気付いているのか、いないのか。
分からないけれど、


『がんばって』と。



ここで君と“私”にさよなら。



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