僕の心

もう一つの声

目を閉じて
じっとしていると
声が聞こえてくる
何処からか
心に響く声

声は次第に大きくなり
僕の弱いところを
大きくしようとする
僕は強くなりたいのにね
逆に弱くなっちゃいそうだよ

声は
「信じるな」
「頼るな」
と訴えてくる

言われなくても…
そうする
そうしてる

そう思うと吐き気がするね
だって何も出来ない
そういうことだろ?
信じることも出来ない
頼ることも出来ない
逃げることも
動く事も…何も

信じようとすれば
すかさず声をかけてくる
僕の頭のなかで響くんだ
「信じてどうする?」

「裏切られたら?」
と僕に言う

すくんで動けなくなるんだ
だから蹲って
ただ待っている
声が聞こえなくなるのを
体が動くのを

嫌だと
思っていても
許されない
声は僕を絡めとって離さない

僕の嫌いな言葉を
たくさん たくさん知っている
僕が動けなくなることも
弱くなることも
全部知ってる

身動きの取れない僕は
声も出せない
ただ声をかき消すように
「違う!」「大丈夫!」
と言い聞かせる
無意味なのにね
何もせずにはいられない

ただ首を絞めているだけなのに
もっと苦しいだけなのに
何もしないと
暗い闇に引きずり込まれる
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