大海の一滴
もう一度告白をするのだ。今度は自分の意志と言葉で。
私は一哉が好き。大好きよ!
そんなこと、本当はずっと前から気づいていた。
やっと、遠くに駐輪場が見え始める。
(??)
こんなに遅い時間なのに、辺りがやけに騒がしい。
先の方に赤く点滅する光が見える。
走りながら、目を凝らす。
救急車のサイレンのようだ。
救急車の横に、何かが無造作に投げ出されている。
「?!」
ガクッと力が抜け、麗子は地面にへたり込んだ。
あれは。あれは……。
~~~ 一哉の自転車だ ~~~