大海の一滴

 麗子の返答に、真顔で彼女が確かめる。

「もう一度言っておくけれど、私は駆け出しの産業カウンセラーだから通常の人に毛が生えた程度だと思って。私が述べる内容は合っているかもしれないし、間違っているかもしれない。だから、気楽にね」


「ええ。分かってるわ」



 それを知った上で、それでも麗子は頼まずにはいられなかった。




(私は前へ進まなければいけない)




 生徒たちのためにも……











< 71 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop