離婚を見た子どもの心
僕らの問題
離婚…という事が決まって数日

僕らの問題は、『苗字』です

どちらについて行くかなど、初めから決まっていたので問題ではありません
勿論、母親について行きます
だって、一番安心だから
子どもとして、安心を感じる場所にいたいのは、当たり前です
父親についていけば、父方の母(以後、祖母S)に預けられます
それは、問題ではありません
むしろ、祖母Sが大好きなのでそれでも構いません
しかし、問題は父親にあるのです
借金を背負っている父親について行くとはとても不安です
父親には、不安しか見出せません…だから、母親を選ぶのは当然でしょう

さて、苗字の問題に戻ります

母親について行くのですが、母親の旧姓では、名前の順番が最後になります
大した問題じゃないかもしれませんが、当時の僕には大問題でした

とても、悩みました
母親の旧姓は嫌…父親について行くのはもっと嫌
その事で頭が占められていました

その問題を解決したのは、意外にも祖母Nなのです
祖母N曰く、苗字を変えなくても大丈夫…とのこと

それを知った僕は、苗字を変えないことに決めました
『二人の好きにしたんやから、僕らも好きにさせてもらう』と、筋の通っているような、通っていないような事を言い、何とか苗字を変えずに済みました
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