ブロってますか?
翌日、健一は会社に行くと部長の部屋に向かった。


「おっ、岡村君。どうした?」


「あの~転勤の件ですが、もし、もしですよ、お断りしたらどうなります?」


途端に苦い顔になる部長。


「なんだ?嫌なのか?ゆくゆくは本社に帰れるんだぞ!まぁ拒否したら、出世はないなぁ~。」


「それで具体的な赴任日は何時になるのですか?」


「来月1日付けになる。まぁ君さえ良ければの話しだかな。」


「はいわかりました。こちらの事務整理に入りたいと思います。」


部長の顔がほころぶ。


「じゃ、行ってくれるんだな。頼むぞ。」


健一の頭の中は美沙子の検査がどうなるかで一杯だった。


『もし…美沙子が癌なら、死んでしまったら…堂々と理恵と…馬鹿!何考えてるんだ!こら!』


健一の中の、2人の人格がお互いに喧嘩する。今の健一の楽しみは、朝、夕に交わす理恵とのメールだけである。
家に帰れば家事におわれる。美沙子は日常生活は出来るが、健一は精密検査が終わるまでは、家事は自分でやろうと決めた。


そして、検査日。
朝病院に美沙子を送り届け、午前中仕事をして半休を取り病院へと向かう。


医師に呼ばれる健一。
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