菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
「いったーいっ…」

着物なんてめったに着ないせいか、まるでカラダをぐるぐる巻きにされてるみたいでホント動きづらい。

もともと鼻緒のついた履き物って苦手だし。

時代劇とかだと江戸時代の人って、みんな着物を着てるけど、よく着物なんか着てフツーに生活してたよね、ホント感心するわ…。


「それにしても…」


鼻緒の切れた草履を見ながら思った…、

“振り袖なんか着てくるんじゃなかった…”

って……。



今からだいたい1時間前
――1月1日AM12:43


高校の友達・千夏&朋子といっしょに、真夜中の初詣に出掛けた帰り、ちょっと“小腹がすいた” あたしたち三人は神社から少し離れたところにあるファミレスに入った。

だけど……

だけど食事の途中でトイレに行ったあたしは、トイレから戻ってきたとき、あたしがいないと思って話をしてた千夏&朋子の聞いてはいけない会話を聞いてしまった――――

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