桜、雪、あなた
18.『エピローグ』





それから月日は流れた



今、ふたりで暮らす
マンションのリビングにはたくさんの写真が並べられている



ふたりで作った大切な思い出の写真達がー。










ーピンポーン





「あっ!帰ってきた!」





あたしはパタパタと玄関へと駆け足で向かった





「おかえりなさーい!」

「ただいまぁ」

「疲れた?」

「んー年末だしなぁ。
つっかれたよー」





今日、実はヨウスケくんに報告があるんだ





「…ふふっじゃあ元気になる話し教えてあげよっか?」

「は?何それ」





とびきりの報告がー





「えへへっ!」

「何だよ、何笑ってんの」





彼の驚きと喜びの顔を見れるまで後もう少しー





「あのねー今日病院行ってきたんだけどねー…」

「は?何の?風邪ひいてたっけ?」





ちーがーうー!

と、
肩を軽く叩きながら





「じゃんっ!!!!」










あたしはエプロンのポケットから
しのばしておいたエコーに映った小さな命の写真を取り出した





「………」





…と、
その時

あたしの左手の薬指にはめられた指輪が











「………まじでっ?!」











キラリ、と 光った。




fin.



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