あなた色に染まりたい
「でも悟は?」
美香と悟はいつも一緒にいる。
そんな二人を引き離してまで傍にいてもらおうとは思わない。
「紗羽はどうしたい? 二人で愚痴りながら飲みたい? 悟を弄りながら飲みたい?」
「うーん、美香と悟の夫婦漫才を見ながら飲みたい」
「あはは……夫婦漫才? 笑わせられるかなぁ」
悟のことを考えながら話す美香はいつも幸せそうだ。
「大丈夫。普段どおりやっていれば」
「それって、普段から夫婦漫才してるってこと?」
「そうそう」
美香は「もーっ!」と頬を膨らませながら、悟を呼びに行った。
しばらくして、悟を連れた美香が戻ってきたけれど……
あれ? 後ろにもう一人いる?
「紗羽、また泣いたのか? 泣く時は俺の胸で泣けって言ってるだろ?」
悟はいつもこうやって茶化しながらもあたしのことを気遣ってくれる。
「悟の胸だと泣けない。心も体も小さいもん。もっと広い胸がいい」
「紗羽っ! てめぇ、何だとっ!」
そう言って追い掛けてくる悟から、「あはは」と笑いながら逃げた。
美香と悟はいつも一緒にいる。
そんな二人を引き離してまで傍にいてもらおうとは思わない。
「紗羽はどうしたい? 二人で愚痴りながら飲みたい? 悟を弄りながら飲みたい?」
「うーん、美香と悟の夫婦漫才を見ながら飲みたい」
「あはは……夫婦漫才? 笑わせられるかなぁ」
悟のことを考えながら話す美香はいつも幸せそうだ。
「大丈夫。普段どおりやっていれば」
「それって、普段から夫婦漫才してるってこと?」
「そうそう」
美香は「もーっ!」と頬を膨らませながら、悟を呼びに行った。
しばらくして、悟を連れた美香が戻ってきたけれど……
あれ? 後ろにもう一人いる?
「紗羽、また泣いたのか? 泣く時は俺の胸で泣けって言ってるだろ?」
悟はいつもこうやって茶化しながらもあたしのことを気遣ってくれる。
「悟の胸だと泣けない。心も体も小さいもん。もっと広い胸がいい」
「紗羽っ! てめぇ、何だとっ!」
そう言って追い掛けてくる悟から、「あはは」と笑いながら逃げた。