あなた色に染まりたい
「蓮、眠い……」


「寝ていいよ。」




蓮の太もも辺りを枕にしてゴロンと横になった。


目を閉じると、とたんに睡魔が押し寄せてきた。


髪を撫でてくれる蓮の手が、凄く気持ちがいい。


すごく眠くて、意識は確実に遠退いていってるんだけど、男三人が話してる声が遠くで聞こえる。




「紗羽、大輝さんのこと何か話したか?」


「いえ、何も……明日話すって言っていました。ただ、さっきすっげぇ泣いていたのが気になる……」




ごめんね……蓮……




「そっか……つか、大輝さん、今更何なんだろうな。やっと紗羽が落ち着いたのに。」


「ヨリ戻したいとか言ってんじゃねぇだろうな。」


「何となくそんな気もします。」




蓮……



お願いだから、あたしのことを離さないで……


揺れそうな気持ちを引き止めて……


蓮……


心の中で、何度も蓮の名前を呼びながら、そのまま眠りに就いた……


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