あなた色に染まりたい
今になって、晴希に抱かれそうになったことを思い出して、かぁぁっと顔が熱くなった。




「晴希さん、俺裏切らないですから……またとか言うのやめてもらえます?」


「でも紗羽が、“蓮は裏切らないって言ったのに、信じなきゃ良かった”なんて泣き叫んでたからさ」




意地悪そうに口の端を持ち上げながら言う。


いつもの晴希だ。


でも……




「ちょっ、晴希!」




それは言わないでほしいよっ。




「晴希さん、紗羽のことはぜってぇに渡しませんから。つか、紗羽も思い出して赤くなんな。気分わりぃ……」


「ごめんなさい」




そりゃそうだ……


あたしが逆の立場なら、絶対に嫌だもん。




「はは……おまえらが仲良くやってりゃ、俺は手ぇ出さねぇよ。あっそうだ、今日はもう遅いし、泊まっていけよ」




いつの間にか、日付がかわっていた。


楽しみにしてたバレンタインが終わっちゃったよ。


結局、晴希の部屋に泊まることになり……


その夜は、蓮の温もりに包まれながら、朝までぐっすりと眠った。


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