あなた色に染まりたい
「他にも乗るものは、たくさんあるんだからさ」


「あたしは絶叫系に乗りたいんだもん。あたしの誕生日なんだから、我が儘言ったっていいでしょ?」




頬を膨らませながら、蓮を見上げて言った。




「……」




でも蓮は、何も言わずに黙ったまま。


困ったな。


いつまでも二人で向かい合っていると……




「あー!蓮くんだー!」




えっ?


後方から聞こえてきた女の子の声。


振り返ると、女の子が三人、こっちに向かって走ってくる。


誰?


さっきまで眉間に皺を寄せていた蓮が、その女の子逹に微笑んでるし……


話してる内容からすると、たぶん大学が同じ子。


この場にいたくないって思った。




「蓮、ちょっとトイレに行ってくる」




そう言って、その場を離れた。
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