あなた色に染まりたい
ここに来てからの蓮は……


「スカートが短すぎる」と眉間に皺を寄せたりとか


「もう絶叫系には乗らない」って言ったりとか


あたしよりもあの子達に笑いかけてたりとか


なんか、つまんない。


てか、あたしって彼女だよね?


今日はあたしのために、ここへ連れて来てくれたんだよね?


今はそれが見えない。


無意識に“はぁー”と溜め息が出た。


ちょっと蓮を困らせたくなった。


てか、困ってくれるのかな?


自信がない。


蓮がいる場所とは反対方向へ足を進めた。


こっちって何があったかな。


一人で時間を潰せそうな場所ってあったっけ?


そんなことを考えながら歩いてると



「わぁー、綺麗」



目の前には大きな湖が広がっていて、水面に太陽の光が反射してキラキラしていた。


すぐそばにあるベンチに座る。


なんか、見てるだけで癒されるな。
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