あなた色に染まりたい
「あたしは、蓮が好きだよ。蓮だけが好き」




そう言うと、蓮はパッと目を見開き、みるみるうちに頬を赤く染めていく。




「やべっ、紗羽、それ反則だから」




そう言って、蓮は助手席のドアを開けた。




「乗って」




言われるがままに助手席に座る。


蓮が乗ってから口を開いた。




「今日は一段と寒いよね。雪が降るのかな?」




天気予報では、



“雪が降ってホワイトクリスマスになるでしょう”



なんて言っていたけれど……


全く白いものが見当たらない。




「降りそうで降らねぇよな?」


「うん」




二人で外を眺める。




「よしっ、そろそろ行くぞ?」


「うん」




そう言うと、蓮はあたしの唇にチュッと触れるだけのキスを落として、車を発進させた。
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