あなた色に染まりたい
「相変わらず、よく飲むよな?」


「蓮だって……」




よく見ると、蓮の前にも空になったビール缶がいくつも転がっている。




「はは、確かに」




自分も意外に飲んでいたことに気づいたのか、少し苦笑した蓮。




「でもやっぱ、紗羽は飲みすぎ」


「なんで?」




本数でいえば、たぶん、同じくらい。


なのに、なんで?




「ちょっと、立ってみ?」




とりあえず言われるがままに、その場に立ってみる。


その瞬間……




「ひゃっ」




左膝がカクンと折れ曲がり、バランスを失ってしまった。




「……っと、あぶね……ほらな?」




倒れてしまった身体は、蓮に支えられた……


と、言いたいところだけど、実際は、あたしが押し倒したような形になってしまった。
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