あなた色に染まりたい
蓮にそう言われたけれど、あたしの中では、まさか蓮の身内の話が出てくるなんて思いもしなくて……


さっきの“怒”の部分を露にした自分を消し去ってしまいたい。


ていうか、蓮と付き合ってもうすぐ二年だけど、蓮の家族にはまだ会ったことがなくて……


そりゃあ、いつか会うだろうなとは思っていたけれど、それがやってきたのが突然すぎて……



あーっ!どうしよう!


凄く緊張してきた!



でもそんなあたしをよそに、車はすでに走り出していた。



こんな時って、渋滞にハマっていても、いつもの倍の時間がかかっていても、早く感じるもので……



「もうすぐ着くから」



という蓮の言葉に、極度の緊張から、心臓が激しいくらいにどきどきと動き始めてしまった。
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