あなた色に染まりたい
促されるままにソファーに座る。


隣に蓮が座っているとはいえ、この状況……


かなり緊張。


そんな中、お兄さんがやって来て、手にしたお茶をローテーブルに置いた。



「ありがとうございます」


「名前は?」


「えっ、あ、紗羽です」


「俺は航。聞いたところによると、同い年らしいけど」



あ……


そういえば、前に蓮がそう言っていた。



「蓮もやるよな。年上の女を捕まえるとか」


「捕まえるって言うなよ」


「じゃあ何?捕まえられたわけ?」


「はぁ?そういう意味じゃねぇって」



こうやって目の前で兄弟の会話がなされているけれど……


やっぱりこの人、教師には見えない。


だって、こんな茶髪で、しかもそれを無造作に遊ばせているような、そんなホストのような髪型の教師なんて、あたしは見たことがないもん。
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