Love...Twins
「ヒュ~、今日もラブラブだな」

面倒な3人に鉢合わせてしまった。

「どいて」

目の前に立って道を塞ぐ3人に冷たく言い放った勇羽は、あたしの手をしっかり握ったまま突き抜けた。

「ったく気に入らねー。なんでお前みたいなヤツがこんな可愛いこと付き合ってんの?」

3人のうちの1人が舌打ちをした。
そのまま無視して帰ると思いきや、勇羽は振り向いてしまった。
、、、もぉ早く行こうよー

「いいだろ、ま、お前には無理だよなww」

!!!
何挑発してんの、バカじゃないの!?
あたしは勇羽の手を引っ張った。
案の定むこうは興奮して勇羽に殴りかかろうとした。

「やめて!こんな場所で、こんなコトで喧嘩しないの!」

気がつくとあたしは道の真ん中で叫んでいた。
皆はびっくりしてあたしを見つめている。
勇羽を殴ろうとしていた手は何時の間にか下がっていた。
勢いで叫んだから、熱が冷めたとたんジワジワと恥ずかしくなってくる。

「ご、ごめんなさい!勇羽かえろっ!」

あたしは勇羽の手を強く引っ張ってひたすら歩いた。
少し歩いて、3人も見えなくなったとき、勇羽がクスクス笑だした。

「っっ!美羽ウケる」
「もぉ!勇羽が悪いんだよぉ」

あたしはちょっと泣きそうになりながらうつむいた。
勇羽は子供だ。
こういうとこはちっとも変わってない。
めんどくさいけど、、、、
めんどくさいけど、、、、

「お前かわいいな」

勇羽がボソッとつぶやいた。

「え??」
「なんでもねーよ」

今何て言った?
勇羽と繋がっている手が熱を帯びた。
いきなりそんなこと言われたら、どうしたらいいか分からなくなるじゃん。

「い、好い加減手はなしてよ!」

あたしが勇羽の手を話そうとしても、勇羽は手を話さなかった。

「いいじゃん。久し振りにこうやって帰るのも。」



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