天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
『法螺吹き大根…』

小夜が何か言いたげに龍太郎の顔を見る。

「法螺吹き大根…」

龍太郎が何か言いたげに小夜の顔を見る。

そんな二人の姿を見つけた雪菜が。

「クモノスさんに追加して頂いたメニューなんですよう、ほくほくの丸い大根の上に、良い香りのする茶色いものをドロドロとかけて食べるんです。母様の作って下さった、『おふくろの味』というものなんです、えへへっ」

少し照れ臭そうに笑う。

ほくほくの丸い大根の上に、良い香りのする茶色いものをドロドロとかけて食べる…。

「それって普通、風呂吹き大こ…」

「法螺吹き大根です」

言いかけた龍太郎に、雪菜が被せて言う。

『雪菜ちゃん、それは間違って覚えてるんだよ…風呂吹…』

「法螺吹き大根ですっ」

小夜にも言い張る雪菜。

「是非召し上がってみて下さい、温まりますよ、『法螺吹き大根』!」

「『はい…』」

雪女の迫力に圧倒され、頷く二人だった…。

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