天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅡ
小難しい事はどうでもいい。

舞白には目もくれず、遮二無二こはくを抱き締める侍。

そして舞白も、僅かに微笑みながら視線を下向かせる。

「このような時に、最早どうでもいい事かもしれんが…」

困惑したように龍娘が口を開いた。

「この勝負は…?」

「そう…そうですね…」

侍に抱かれたまま、こはくが小さく声を上げる。

「ならん、言うな。お前は…!」

こはくの唇を塞ごうとする侍を制して。

「いいんだよ、すー…舞白さんが言っただろ?『因果』は断ち切られたんだ」

今度は僕が、僕の魂の赴くままに。

こはくは穏やかに告げる。

「参りました…僕の負けです」

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