Hurt〜傷〜
翌日、俺は髪の色を元に戻して登校した。

そんな俺を見た仲間の一人に、早速呼び出された。


「なぁ、渉…。お前、どうしちゃった訳?」


俺は軽く笑って答えた。


「俺、昔はもっとまともだったと思わないか?」

「確かに、お前はバイトばかりして、授業はサボってばかりいたけど、真面目な奴だったよ…。だけど俺が聞いてるのは、何でそんな格好をしているのかってことだよ!」

「俺は、変わるんだ」

「…変わる?」

「そう、変わるんだ。…なぁ、明良。お前は今の高校生活が本当に楽しいと思っているか?」

「楽しいと思ってるよ。毎日、仲間とつるんで、面白おかしくしてるからな。渉は、そう思ってなかった訳?」

「俺はそんな時間は、未完成であやふやな自分を、ただ紛らわしているだけだと思うよ。お前は、一人になって考えたことない?今の自分のままでいいのか?」


明良は少し考えて、戸惑いがちに答えた。
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