Hurt〜傷〜
告白
渉は昔を懐かしむように話した。


「…明良は、今ではおちゃらけた奴だけど、昔から俺の一番の理解者だったんだ。
そして、俺に更正させるきっかけをくれたあの女の子は…純ちゃんだよ」


渉は優しく、純に言った。

純はすごく驚いた。


「確かに昔、怪我をしていた人に傘をあげました。でも…あの人と渉さんが同じ人なんて…」


渉は優しく微笑んだ。


「純ちゃんのおかげで、変わることが出来たからね。
あの時、お礼を言ってなかったことを、ずっと気にしてたんだ。
…あの時は、本当にありがとうございました」

「いえ、私は何もしてないですよ。ただ、当たり前のことをしただけですので…」

「それでも俺は、純ちゃんの言葉で変わることが出来たんだよ。
本当に感謝してる。
…純ちゃんは喫茶店で、自分は過ちを犯したって言ってたけど、純ちゃんはその過ちに気付くことが出来たんでしょ?
それなら、きっと純ちゃんも変わることが出来ると思うよ」


そう渉は真剣な目差しで言った。


「…そうですね。出会い系はもう止めます」


純も真剣な目で、渉にそう言った。
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