【完】短編集~幼馴染み~
ガラガラ~

あたしは座席票を見て、席に着いた。
ん?隣から視線が……。
視線をたどると、男の子があたしをガン見していた。
な、なに!?
どこもおかしくないよね??

「あの、何か?」
「…お前、美亜だろ」
「へ?はい。天羽美亜ですが…」
「やっぱり!俺だよ。分んねぇ?」

え、知り合い?
あたしはその男の子をじっと見た。

「ん~~??」
「分んねぇか。じゃぁ、これに見覚えねぇ??」
その男の子が見せたのは、不格好なサッカーボールのストラップ。

「っ!それって…、あたしが作ったストラップ?てことは…いっちゃん?」
「やっと思い出した?」
その人は、ニカッと笑う。

――…高橋壱夜<タカハシイチヤ>。
たしか、幼稚園の頃北海道に引っ越した幼馴染み。
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