【完】短編集~幼馴染み~
精一杯

幼馴染み?弟?

俺の名前は山岡風馬〈ヤマオカフウマ〉、今日から高校生。
「風馬、おはよー!制服、似合ってるじゃん♪」
そう言って俺の髪をくしゃくしゃと撫でるのは…
「ちょ、やめろよ、紗季姉っ!!」
俺の幼馴染みの、紗季姉〈サキネエ〉こと、黒木紗季〈クロキサキ〉。
俺より2歳上で、俺が通う高校の3年生だ。
まぁ、紗季姉がいるから、頑張って入ったんだけど。
学校へ歩いていると、周りからの目が痛い。
やたらジロジロ見てくる。
「も~、風馬目立ちすぎだからみんな見てるんだけど」
「はぁ!!??んで俺のせいなんだよ」
「だって、風馬の顔、目立つんだもん」
「うわ!顔とか、どうしようもねぇもん指摘すんじゃねぇよ」
つーか、この視線はぜってぇ紗季姉にも向けられてっし!
野郎がいっぱい見てんだよ。
ホント、沙希姉は無防備で、鈍感で、天然で、無自覚で…。
「風馬、今あたしのことけなしてるでしょ」
「はっ?」
「風馬の考えてることなんて、お見通しなんだからねーだ!」
べッと舌を出す紗季姉は、年上に感じられない。

お見通しなら、気付けよ、バカ姉。

俺の、気持ちに――…。


紗季姉、俺、

紗季姉が好きなんだよ?

< 189 / 587 >

この作品をシェア

pagetop