【完】短編集~幼馴染み~
「…って、言うとでも思ったか?」
「え…っ」
「鈴ってホント、嘘つくの苦手だよな」
「っ、」

どうして、わかっちゃうのかな。

「なぁ…あんたらさ、先輩だからって、俺、許さねぇよ?
…もし、また鈴音になにかしたら…。
俺、あんたらに何すっか分んねぇから」

「「「っ!!!」」」

先輩たちは、涙目になり、口元を押さえながら走っていった。

鈴は力が抜け、ヘナヘナとその場に座り込む。

「鈴音っ!」


ね…どうして。

どうして、弱ってるときに、そう呼ぶのかな。

いつもは“鈴”のくせに。

時々、“鈴音”って呼ぶ。

鈴ね、彗に鈴音って呼ばれると…

ドキドキするんだよ?


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