【完】短編集~幼馴染み~
「千秋っ!!」
「て、哲……」
千秋は腕を掴まれていた。
「お前、その手離せよ」
「は?つかお前誰だよ。この子は今から俺らと遊ぶんだよ」
「笑わせんじゃねぇぞ。こいつに触っていいのは、俺だけなんだよ」
俺は男の手首を掴む。
「は?離せよ」
「俺、力だけは自信あんだぜ?痛い目みたくなかったら、さっさと失せろ」
そう言って俺は力を強める。
「ぃ!…チッ、行こうぜ」

男たちはぶつぶつ言いながら去っていった。

「なにやってんだよ、お前。ナンパなんて、いつも追っ払ってるだろ!?」

こいつは、女の子がナンパされていたらいつも助けていた。
『俺、柔道とかボクシングとか、いろいろやってるよ?痛い目みたくなかったら、さっさと消えてくんないかな』

と、笑いながら。

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