【完】短編集~幼馴染み~
「敦志っ、おっはよ~う!」

バシッと、あたしの前を歩いていたヤツの背中を強く叩く。

「いって~!杏子!!」
こいつはあたしの幼馴染みの高島敦志<タカシマアツシ>。
そして、こいつが呼んだのが、あたしの名前。
北川杏子<キタガワアンズ>!

「早く行かないと、遅刻するよ!」
「え、マジ?」
「ほら、行くよ~~」
あたしは敦志の腕を引っ張った。

「うわ!引っ張るなって!!」

敦志は一度止まり、あたしの手を掴む。
「ほら、走るぞ」
グイッと引かれた手。

触れている手が、熱い。

「早いよ、もう!!」

こんな可愛げのないことばかり言ってるけど、


あたしは敦志が、好きなのです。





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