【完】短編集~幼馴染み~
『はい、教科書!あ、落書きしないでよ〜?』
…幸せそうな顔しやがって。

『ぅ、うるさいっ//』
真っ赤な顔…りんごみてぇだな。

『いい加減、想い伝えれば?』
…人のこと、言えんのかよ。
莉那は、十分頑張ってんだろ。

『伝えないと、心に限界がくるぞ?伝えなきゃ、始まらねぇんだ。関係が崩れるのが怖くて、ずっと想いを封じ込めるのは…その想いが可哀想だ』
これはある意味、自分に言い聞かせた言葉だった。

『っ、心が……痛いっ!』
泣くくらいなら、俺にすればいいのに。
何度そう思っただろう。

だけど、

【ちゃんと伝えたよ。陽智、本当にありがとう】

この電話を受けた次の日、


お前はキラキラした笑顔で、隆也の隣にいたよな。


それだけで、俺は十分幸せな気持ちになれたよ。

「さーて。新しい恋、探しますかっ!」

あいつみたいに、真っすぐ想おう。
次に好きになる子を。


side陽智 END
< 458 / 587 >

この作品をシェア

pagetop