【完】短編集~幼馴染み~
side隆也


俺は…、
この時初めて莉那の

“弱さ”と“涙”を見た――……。

幼馴染みなのに…、

ずっと、一緒にいたのに…。
誰よりもずっと、莉那のそばにいたはずなのに…、
俺は…初めてだったんだ――……。

『ホントにあたし……隆也の彼女なの――……?』
こんな言葉を言わせる俺は――……、
なんて、最低な男なんだ。

なぁ、莉那。
俺は…無意識にお前を傷付けていたのか――……?
どれだけ、お前を傷付けた――……?

今、お前がそんなにも、
悲しく、
苦しく、
辛い顔をしているのは…、
たくさんの涙を流させているのは…、

俺なのか――……?

「ごめ…ん」


俺は、謝ることしか…


できない。


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