神サマの憂鬱。



「貴方が考えてちょうだい」


魔王は単純に驚いた。


妻なら適当に何か名付けるのではと考えていたからだ。

しかも、数十分も使ってその答えとは。


魔王は軽く呆れていた。



「我が決めていいのか?」

「だってあたくし、思いつかないのだもの」


そうか、では…と魔王も考え始めたものの、どうもいい名が浮かばなかった。


(魔王の後継者として相応しい名か…)


魔王にしては珍しく、ひとり唸っていた。

こんな姿を見せるのは非常に珍しいので、妻でさえ驚いた顔をしたが、次には笑いを堪えるのに必死だった。


こう見れば魔王もやはり、人間達と同じ親の一児のパパなのである。





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