神サマの憂鬱。
「父さん」
「おぉ、ハバネか」
彼は父である魔王の部屋に足を踏み入れた。
「どうだ? 上手くできたか?」
「はい、気持ちいいですね」
「そうだろうそうだろう」
魔王はうんうん頷いた。
(…我が息子もそれがわかるとは成長したな)
ハバネの父は、思わず嬉しくて涙が出そうになった。
「本当にそうです。 良いことをするのは」
どんがらがっしゃーん!
魔王は派手に椅子から転げ落ち、ハバネは慌てた様子で父に駆け寄る。
「大丈夫ですか!?」
「ハハ…」
今度は別の意味で涙が出そうになる魔王であった。
そして魔界では魔王の息子の影響で、少し良いところになったのである。
【END】