セックス·フレンド【完結】
「や、だ。私ったら、つい、かっとなって…」


額に手をあて俯く詩織に、あたしは問いかける。

「竹内ミキが妊娠?」


「ごめん、美杉…」


「詩織、竹内ミキは隆也との子供を妊娠しているの?」


詩織は、うなだれたまま頷いた。


もう涙も出なかった。


あまりに色々なことが起こりすぎている。


あたしの知らない間に、何もかもが変わりすぎていた。


「教えて…」


「えっ?」


涙で真っ赤に目を濡らした詩織に、あたしは、訊ねた。


「隆也たちの披露宴は、いつ、どこで行われるの?」


「美杉…」


「詩織が教えてくれなくても、あたしは、きっと調べるよ。だって、狭い街だもの。場所なんて限られてるもの」


そう言って薄く笑ったあたしを、詩織が怯えたような目で見つめていた。
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