セックス·フレンド【完結】
「でも俺は、結局、みぃたんをあきらめた。あきらめて、自分を好きだと言ってくれる女の子と付き合うことにした。端から見れば、俺と彼女はうまくいっていると思う。彼女は、俺のことをとても愛してくれるし、俺もそれに応えようと努力している」


けど…と、西村が口ごもった。


「けど、いくら努力しても、彼女を愛してやることができない。彼女のことは好きだと思う。可愛いとも。けど、俺の中から、みぃたんが消えない。いくら、彼女と楽しい時間を過ごしても、セックスしても、思い出すのは、みぃたんのことばかりなんだ」


聞きながら、あたしは、泣いていた。


わかるのだ、よく。
そんな、西村君の気持ちが。


あたしもそうだった。


いくら西村君といても、抱かれても、隆也が消えなかった。


なんという皮肉だろう。

今なら隆也の気持ちが、わかる。とっても。


泣きじゃくるあたしを、西村君が抱きしめた。
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