セックス·フレンド【完結】
隆也に恋人がいるのは承知のうえだった。


セックスをする前に、彼は正直に言い何度も念を押した。


再会したとき、隆也には、すでに付き合って二年たつ恋人と一緒に暮らしていたのだ。


その恋人が、半年前から性生活を拒むようになった。


初めは、「疲れているから」「気分がのらないから」と何かと理由をつけて断っていた恋人が、ようやく本当のわけを語ったのが、あたしと再会する2ヶ月前のこと。


「他に好きな男でもできたのか?」


そう聞いた彼に、恋人は今にも泣き出しそうな顔をして答えた。


「隆也とのセックスが苦痛なの。気持ちいいと思えないの」


それは、隆也にとって衝撃的な告白だった。


一体、いつから彼女はそれに耐えていたのだろう…。


隆也は、男としての自信を喪失していた。


だから、彼は、あたしを抱くことで、心の傷を癒やした。


失った男としての自信を回復した。
< 43 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop